囲炉裏を囲みながら猪やイノブタ料理を味わえる名店「猪料理 やまおく」。
ずっと来てみたかったお店へ、東信偏愛女子のひなぽんとちーやんが行って参りました!
創業は昭和51年。佐久平駅から車で10分ほど、田園地帯が見渡せる小高い場所にあるお店は、知る人ぞ知る隠れ家のような雰囲気。
現在は周辺に住宅も増えましたが、昔はその名のとおり“やまおく”だったのだそう。
親子二代にわたって愛され続けてきた味を堪能すべく、さっそくいただきます!
昔ながらの囲炉裏を囲んで
木の温もり溢れ、昔懐かしい雰囲気が漂う店内。暖かい季節はテラス席も利用できます。全席に囲炉裏があり、それぞれの席のスペースが広々としているので、ゆったりと落ち着いて会話や料理を楽しめます♪
料理はコースとなっており、「松コース(猪)」「竹コース(イノブタ)」「梅コース(豚)」の3種と、追加で一品料理も頼めます。
イノブタとは、猪と豚を交配させた動物で、猪肉の旨みと豚肉の脂味の甘さや柔らかさを併せ持っているのが特徴。
猪肉は少し硬さがあるため、初心者は食べやすいイノブタもおすすめとのことで、今回は竹コースにしました。やまおくさんでは、昔からお付き合いのある信頼できる生産者と契約し、良質な肉を取り寄せているそう。
飲み物は佐久の地酒にハイボールなどのお酒や、ノンアルも充実しています。
絶品!竹コース(イノブタ)をいただく
まずはお通しの切り干し大根とイカの前菜。イカの風味がしっかりあり、パリパリと良い歯触り。
大根ビール漬けは、なんと大根をビールのみで漬けたという漬物! あっさりとした食べやすい味で、ビールとはいえシュワシュワ感も苦味もなく、アルコールも抜けているので子どもでも安心して食べられます。
水菜やキャベツなどが入ったシャキシャキのサラダも美味!
水菜やキャベツなどが入ったシャキシャキのサラダも美味!
そしてメインの鍋です。囲炉裏に炭火で火を起こし、自在鉤にかかった鍋にはぐつぐつと野菜や肉が煮込まれており、見た目から食欲をそそります。
昔の日本の食卓にお邪魔しているかのようで、もうこれだけで大満足!こんな体験なかなかできません。
昔の日本の食卓にお邪魔しているかのようで、もうこれだけで大満足!こんな体験なかなかできません。
鍋から具材をよそってみると、イノブタのほかにネギ、ニラ、春菊、厚揚げ、エノキ、椎茸、しめじ、ごぼう、こんにゃくなど、野菜たっぷりの具沢山!
赤味噌と白味噌の信州味噌を独自でブレンドした味噌ベースのスープに、野菜や肉の旨みが溶け出しています。あまりの美味しさに二人で「うまっ・・・!」と、しばし言葉を失いました。笑
滋味深く、じんわりと心も体も満たされる味わい。お肉もクセはなく、柔らかくて噛むたびに旨みが口中に広がります。至福です。
そして牛とイノブタの串焼き。囲炉裏の五徳に直接載せて、炭火でじっくり時間をかけてふっくらと両面焼き上げます。
甘じょっぱい秘伝のタレをたっぷり付けて一口食べれば、じゅわっと脂の甘みと肉のまろやかな旨みに襲われました。もう、もう、おいしすぎてたまりません・・・・!!
続いてハヤの唐揚げとトマト豆腐。
ハヤはコイ科の淡水魚で、一般的にウグイと言われますが、佐久地方ではハヤと呼ばれることが多いそう。佐久の名産・佐久鯉の養殖が盛んな桜井地区から仕入れています。
低温から高温へと二度揚げし、甘酢へくぐらせます。二度揚げすることで表面はカラッと揚がり、骨まで丸ごと食べられるとか。ハヤの淡白な味わいと甘酢がベストマッチです。
トマト豆腐は、豆腐の上にトマトソース、フライドガーリック、ネギが載っており、一見イタリアンかと思いきや、ポン酢とあわせていただきます。
和と洋が融合し、酸味と甘味が絶妙なバランスで、箸休めに最適。料理へのこだわりと探究心が感じられる一品です。
締めはうどんとお餅。鍋にとろみが出て麺にスープが絡まります。最後までおいしくいただいて大満足でした!
やまおくが愛され続ける理由
鍋や焼き肉など、シンプルな料理ながらも、なぜこんなにもおいしいのか。
もちろん素材の良さや炭火といった調理方法など、複合的な理由があると思いますが、店主に話を伺ったところ、
「鍋のスープも焼き肉のタレも、ペースト状にした何十種類もの野菜に、味噌や醤油、スパイスを加えて作っています。創業時から変わらぬ材料で、変わらぬ味を守り続けています」とのこと。だからあんなにも奥深い風味が生まれるのかと納得です。
その秘伝のスープやタレは、初代のお父様からの直伝で、レシピを書き残してもいないので、お二人以外は誰も知らないとか。
そんな変わらぬ味を求め、お店ができた当初から通い詰める常連さんもいらっしゃいます。
そして店内には錚々たる経営者や著名人のサインがずらり。テレビロケだけでなくお忍びで通う方もいるそうで、日本経済新聞社で発行されていた雑誌『REAL NIKKEY style』の特集「人生最高の食悦・究極の50品指定」では、某経営者から“死ぬ前にもう一度食べたい食”として選ばれたこともあります。
いかにこの店が愛されているかを物語るエピソードです。
「店に合いそうだから」と、常連さんが置いていった太鼓や車輪。先代から大切に店先に飾っています
おいしい料理に加え、店主と女将さんの気さくで温かい人柄、アットホームな雰囲気もこの店の最大の魅力。私もすっかりファンになってしまい、次は松コース(猪)を食べようと心に誓いました!
デザートにある佐久市の郷土料理「おなっとう」を特別に試食させてもらいました。米と麹を混ぜて発酵させ、冷やして食べるスイーツ。食べる甘酒という感じで、やさしい甘さが食後に合います
体も心もぽかぽかになる絶品鍋はこれからの冬の季節にぴったり。野菜たっぷりで栄養価も高く、女性にもおすすめです! ここでしか体験できない食を堪能しに、皆さんもぜひ足を運んでみてください♪
猪料理 やまおくDATA
住所 | 長野県佐久市新子田1882-10 |
電話 | 0267-68-0676 |
営業時間 | 12:00〜14:00/17:00〜22:00 ※予約をしてお越しください。当日の来店は料理や座席の準備に時間を要するため、ご案内できない場合があります。 ※予約の状況で20:30で閉店する場合もあります。 |
休み | 月曜 |
東信偏愛女子とは……
上田市を中心に活動する女性クリエイターチーム。それぞれの「好き!」をそれぞれの視点で掘り下げ、東信の暮らしを楽しんでいる。
全員一度県外に出たUターン&県外からの移住者だからこそ感じる東信の魅力を感性のおもむくままに取材し、お出かけ情報・暮らし情報を発信します!
メンバーと得意分野 紹介
アユミ(デザイナー)/登山・アート・音楽・美容
ちーやん(編集者・広報)/動物・自然・スーパー・移住暮らし
ひなぽん(イラストレーター・編集者)/ご当地のグルメ・喫茶店・文化・温泉・居酒屋
サポーターさちぽん/グルメ(特にワイン・蕎麦)・イベント
この記事を書いたライター
ひなぽん
イラストレーター・編集者|千葉県出身。書店に入り浸る学生生活の後、出版社で旅行雑誌の編集者となる。全国各地を取材した経験から、ローカルに魅力を感じ、2017年に上田市に移住。観光関係の広報の仕事や、イラストレーターとして活動中。手相鑑定士でもある。趣味はレトロな風景を求め旅に出ること。とくに喫茶店や工芸品、温泉などが好き。
イラストレーター・編集者|千葉県出身。書店に入り浸る学生生活の後、出版社で旅行雑誌の編集者となる。全国各地を取材した経験から、ローカルに魅力を感じ、2017年に上田市に移住。観光関係の広報の仕事や、イラストレーターとして活動中。手相鑑定士でもある。趣味はレトロな風景を求め旅に出ること。とくに喫茶店や工芸品、温泉などが好き。
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