東信偏愛女子チームのひなぽんです。
今回は、驚異的な歴史を持つ「佐久ホテル」の実態に迫る宿泊レポート後編をお届けします。
前編はこちら▼
室町時代に創業した佐久ホテルは、鯉料理のほかにも、受け継がれてきた文化や財産があります。
なかでも“温泉”と宿名物の“甘茶”は、佐久ホテルを語るうえで欠かせないポイント。
温泉と甘茶、いったいどんなものなのか、さっそく見ていきましょう!
そのうちの一人が、各地に隠し湯を持っていたことで知られる、戦国武将・武田信玄。
武田信玄は佐久ホテルの温泉にも浸かり、なんと謝礼の掛軸もちゃんと残っているのです。
しかもその掛軸、長さ1尺(約30センチ)・太さ1寸(約3センチ)の水晶の一本棒が軸に使われているそう。
木や陶器などではなく、水晶の軸。これはかなり珍しいのではと思い、個人的に調べてみると、武田信玄が治めていた地・甲府は、水晶の産地だったそう。
だから水晶の軸なのかと納得したのでした。それにしても貴重すぎます!(お宿のホームページに写真が載っています)
話が逸れましたが、そんな水晶軸を覗くと旭(朝日)が美しく見えることから、「旭湯」という名前がつきました。
武田信玄のほかにも、若山牧水、島崎藤村、北原白秋、葛飾北斎などなど……数々の文人墨客もこの湯を愛したそう。
そんな温泉、入りたいに決まってる!
鯉料理で満腹になったところで、温泉へと向かいました。
4人ほどが入れる浴槽に、温泉のお湯が勢いよくこんこんと湧き出しています。
な、なんと、この浴槽のほぼ真下、地中約1メートルに源泉があるそう。
源泉と浴槽がここまで近い温泉は非常に珍しく、源泉から蛇口まで数秒で温泉水が到達するとか。
そのため常に新鮮すぎる大地の恵みを直で浴びまくっているのです。なんだかもう、いろいろとすごすぎます!
そして温泉の主成分はメタケイ酸。メタケイ酸は保湿効果があり、天然の化粧水として美肌効果が期待できます。心なしかお肌がツルツルになったような気が……!
温度もほどほどに熱く、体の芯までしっかりと温まります。
天然温泉ゆえ、日によって白や黄金色など色も変化するそうです。
貴重な温泉に浸かることができ、心も体もしみじみと満たされました。
ちなみに宿泊者が少ない空いているときには日帰り入浴も可能ですよ! 偉人たちも愛した湯を、ぜひご堪能あれ。
そんな甘茶を、佐久ホテルでは江戸時代より製造しており、宿で提供するほか、200年以上にわたって地元の祇園祭でも振る舞っています。
甘茶はどのように作られるかというと、原料のアマチャの木から摘み取った葉を陰干して揉み込み、じっくりと発酵させた後に乾燥させ、ようやく茶葉が完成。
気候条件等により栽培が難しく、昨年は生育不良であまり収穫できなかったそう。
滞在中にありがたく何杯もいただいてしまいましたが、そのお味はと言うと、名前のとおりとにかく甘い! けどごくごく飲めておいしい。
砂糖が入っていないのに、砂糖の200倍というこの甘さ。昔から自然の甘味料として重宝され、糖分制限に役立つほか、抗酸化作用などもあり、健康にも良いそう。
そんなおいしい甘茶を求め、学校帰りの小学生が毎日飲みに来るんだとか……(現当主から始まり、もう50年も続く光景)!
歴史があるからといって近寄りがたさを感じさせず、地域とともに歩み、地域に根ざしているところがとても素敵だな〜としみじみしたエピソードでした。
甘茶を製造販売しているところも少なくなっており、佐久ホテルの甘茶は全国の寺院から注文があるほか、近隣の病院や神社にも納めています。
このようなマップを配布していて、宿の至る所に展示されてある貴重な文献や資料などを探し歩けるようになっています(※文献はコピーです)。
ぜひ実際に訪れて、佐久鯉料理、温泉、甘茶、展示資料など、奥深い佐久ホテルの歴史を存分に味わってみてください!
上田市を中心に活動する女性クリエイターチーム。それぞれの「好き!」をそれぞれの視点で掘り下げ、東信の暮らしを楽しんでいる。
全員一度県外に出たUターン&県外からの移住者だからこそ感じる東信の魅力を感性のおもむくままに取材し、お出かけ情報・暮らし情報を発信します!
メンバーと得意分野 紹介
アユミ(デザイナー)/登山・アート・音楽・美容
ちーやん(編集者・広報)/動物・自然・スーパー・移住暮らし
ひなぽん(イラストレーター・編集者)/ご当地のグルメ・喫茶店・文化・温泉・居酒屋
サポーターさちぽん/グルメ(特にワイン・蕎麦)・イベント
\ブログの更新通知を受け取る/
今回は、驚異的な歴史を持つ「佐久ホテル」の実態に迫る宿泊レポート後編をお届けします。
前編はこちら▼
室町時代に創業した佐久ホテルは、鯉料理のほかにも、受け継がれてきた文化や財産があります。
なかでも“温泉”と宿名物の“甘茶”は、佐久ホテルを語るうえで欠かせないポイント。
温泉と甘茶、いったいどんなものなのか、さっそく見ていきましょう!
歴史上の人物も浸かった 開湯600年の温泉「旭湯」
前編でも触れましたが、約600年の歴史を誇る佐久ホテルには、数々の歴史上の人物が宿泊してきました。そのうちの一人が、各地に隠し湯を持っていたことで知られる、戦国武将・武田信玄。
武田信玄は佐久ホテルの温泉にも浸かり、なんと謝礼の掛軸もちゃんと残っているのです。
しかもその掛軸、長さ1尺(約30センチ)・太さ1寸(約3センチ)の水晶の一本棒が軸に使われているそう。
木や陶器などではなく、水晶の軸。これはかなり珍しいのではと思い、個人的に調べてみると、武田信玄が治めていた地・甲府は、水晶の産地だったそう。
だから水晶の軸なのかと納得したのでした。それにしても貴重すぎます!(お宿のホームページに写真が載っています)
話が逸れましたが、そんな水晶軸を覗くと旭(朝日)が美しく見えることから、「旭湯」という名前がつきました。
武田信玄のほかにも、若山牧水、島崎藤村、北原白秋、葛飾北斎などなど……数々の文人墨客もこの湯を愛したそう。
そんな温泉、入りたいに決まってる!
鯉料理で満腹になったところで、温泉へと向かいました。
4人ほどが入れる浴槽に、温泉のお湯が勢いよくこんこんと湧き出しています。
な、なんと、この浴槽のほぼ真下、地中約1メートルに源泉があるそう。
源泉と浴槽がここまで近い温泉は非常に珍しく、源泉から蛇口まで数秒で温泉水が到達するとか。
そのため常に新鮮すぎる大地の恵みを直で浴びまくっているのです。なんだかもう、いろいろとすごすぎます!
そして温泉の主成分はメタケイ酸。メタケイ酸は保湿効果があり、天然の化粧水として美肌効果が期待できます。心なしかお肌がツルツルになったような気が……!
温度もほどほどに熱く、体の芯までしっかりと温まります。
天然温泉ゆえ、日によって白や黄金色など色も変化するそうです。
貴重な温泉に浸かることができ、心も体もしみじみと満たされました。
ちなみに宿泊者が少ない空いているときには日帰り入浴も可能ですよ! 偉人たちも愛した湯を、ぜひご堪能あれ。
宿名物の甘茶をいただく
もう一つの特徴でもある「甘茶」。ホテルに入ると、まずこの甘茶をお召し上がりくださいという看板が目に入ります。仏教と関わりの深い飲み物・甘茶ですが、佐久市では昔から神事でも御神酒の代わりに振る舞われ、甘茶を飲む風習がありました。
そんな甘茶を、佐久ホテルでは江戸時代より製造しており、宿で提供するほか、200年以上にわたって地元の祇園祭でも振る舞っています。
甘茶はどのように作られるかというと、原料のアマチャの木から摘み取った葉を陰干して揉み込み、じっくりと発酵させた後に乾燥させ、ようやく茶葉が完成。
気候条件等により栽培が難しく、昨年は生育不良であまり収穫できなかったそう。
滞在中にありがたく何杯もいただいてしまいましたが、そのお味はと言うと、名前のとおりとにかく甘い! けどごくごく飲めておいしい。
砂糖が入っていないのに、砂糖の200倍というこの甘さ。昔から自然の甘味料として重宝され、糖分制限に役立つほか、抗酸化作用などもあり、健康にも良いそう。
そんなおいしい甘茶を求め、学校帰りの小学生が毎日飲みに来るんだとか……(現当主から始まり、もう50年も続く光景)!
歴史があるからといって近寄りがたさを感じさせず、地域とともに歩み、地域に根ざしているところがとても素敵だな〜としみじみしたエピソードでした。
甘茶を製造販売しているところも少なくなっており、佐久ホテルの甘茶は全国の寺院から注文があるほか、近隣の病院や神社にも納めています。
代々受け継がれてきた宿名物、これはおみやげにぜひ押さえておきたい一品です。
見応えがありすぎる館内
今回は書ききれませんでしたが、佐久ホテルには他にもさまざまなお宝が展示されています。このようなマップを配布していて、宿の至る所に展示されてある貴重な文献や資料などを探し歩けるようになっています(※文献はコピーです)。
ぜひ実際に訪れて、佐久鯉料理、温泉、甘茶、展示資料など、奥深い佐久ホテルの歴史を存分に味わってみてください!
住所 | 長野県佐久市岩村田中山道今宿553番地 |
営業時間 | 日帰り入浴/16:00〜21:00 ※空いている時だけ可 |
定休日 | 無し |
HP | http://www.sakusaku.co.jp/ |
備考 | 日帰り入浴700円 |
東信偏愛女子とは……
上田市を中心に活動する女性クリエイターチーム。それぞれの「好き!」をそれぞれの視点で掘り下げ、東信の暮らしを楽しんでいる。
全員一度県外に出たUターン&県外からの移住者だからこそ感じる東信の魅力を感性のおもむくままに取材し、お出かけ情報・暮らし情報を発信します!
メンバーと得意分野 紹介
アユミ(デザイナー)/登山・アート・音楽・美容
ちーやん(編集者・広報)/動物・自然・スーパー・移住暮らし
ひなぽん(イラストレーター・編集者)/ご当地のグルメ・喫茶店・文化・温泉・居酒屋
サポーターさちぽん/グルメ(特にワイン・蕎麦)・イベント
この記事を書いたライター
ひなぽん
イラストレーター・編集者|千葉県出身。書店に入り浸る学生生活の後、出版社で旅行雑誌の編集者となる。全国各地を取材した経験から、ローカルに魅力を感じ、2017年に上田市に移住。観光関係の広報の仕事や、イラストレーターとして活動中。手相鑑定士でもある。趣味はレトロな風景を求め旅に出ること。とくに喫茶店や工芸品、温泉などが好き。
イラストレーター・編集者|千葉県出身。書店に入り浸る学生生活の後、出版社で旅行雑誌の編集者となる。全国各地を取材した経験から、ローカルに魅力を感じ、2017年に上田市に移住。観光関係の広報の仕事や、イラストレーターとして活動中。手相鑑定士でもある。趣味はレトロな風景を求め旅に出ること。とくに喫茶店や工芸品、温泉などが好き。
コメント