小諸城の城下町であり、善光寺へつづく北国街道の宿場町でもあった小諸。
小諸城の欅を使った柱や梁などがそのまま残る伝統的な空間で、1月下旬からつるし雛や押し絵、雛人形が展示されています。
そんな小諸で明治31年(1898)に創業した温泉宿「中棚荘」は、小諸にゆかりのある小説家・島崎藤村も滞在したという歴史あるお宿。
「もっと自分を新鮮に、そして簡素にすることはないか」という藤村の言葉をテーマに、千曲川沿いの森の中でお客様に癒しの時間を提供しています。
中棚荘女将お手製のつるし雛たち
北国街道沿いに明治元年に建てられた旧家を2002年に移築し、郷土料理などが味わえる場として愛されてきた「はりこし亭」。市の登録有形文化財でもあります
小諸城の欅を使った柱や梁などがそのまま残る伝統的な空間で、1月下旬からつるし雛や押し絵、雛人形が展示されています。
相当数の人形が並んでいますが、なんとこれら、すべて中棚荘の女将が丁寧に手縫いして作られたもの。15年ほど前から近隣の先生に習い始め、こつこつ作り続けてこられたそう。
長野県ではあまり馴染みのないつるし雛ですが、伊豆稲取の「雛のつるし飾り」・山形の「傘福」・福岡の「さげもん」が全国三大つるし飾りの地で、女将が作っているのは伊豆稲取の花あそび流という流派のもの。
江戸時代後期から始まり、当時高価でなかなか手に入らなかった段飾りの雛人形に代わって、古い着物などを使って作り始めたことが由来。
人形の一つひとつに意味があり、例えば座布団は“早くお座りができるように”、唐辛子は虫除けで“悪い男に捕まらないように”など。
どれも親から子への愛情を感じ、ほっこりします。それぞれの意味を考えながら見るのも楽しいです。
一つのつるし雛に吊るしてある人形の数にも理由があり、昔は人生50年だったことから、一年でも長生きしてほしいという想いから51個となっているとか。すてきな願いで、なんだか泣けてきます・・・!
赤は女の子用で4月上旬まで、黒は男の子用でもう少し長く飾られる予定とのこと。
ほかにも干支の人形、地元の方から譲り受けたひな人形の七段飾りなど、華やかで美しい人形が多数並んでいました。
ひな祭りシーズン以外の通常時にも「花籠御膳」として提供されていますが、ひな御膳は特別にデザートが3種、汁物も付いてきます。
ほのかに漂うりんごの甘酸っぱい香りはまるで天然アロマ。源泉かけ流しのお湯はアルカリ性単純温泉の美肌の湯で、身も心も癒されました。
いつかは宿泊したいなという夢を抱きつつ、冬ならではの日帰り中棚荘・はりこし亭はとっても最高のひとときでした。皆さまも自分へのご褒美に、はたまた家族や友人と一緒に、ぜひ足を運んでみてください!
中棚荘DATA
はりこし亭
上田市を中心に活動する女性クリエイターチーム。それぞれの「好き!」をそれぞれの視点で掘り下げ、東信の暮らしを楽しんでいる。
全員一度県外に出たUターン&県外からの移住者だからこそ感じる東信の魅力を感性のおもむくままに取材し、お出かけ情報・暮らし情報を発信します!
メンバーと得意分野 紹介
アユミ(デザイナー)/登山・アート・音楽・美容
ちーやん(編集者・広報)/動物・自然・スーパー・移住暮らし
ひなぽん(イラストレーター・編集者)/ご当地のグルメ・喫茶店・文化・温泉・居酒屋
サポーターさちぽん/グルメ(特にワイン・蕎麦)・イベント
ひなぽん
イラストレーター・編集者|千葉県出身。書店に入り浸る学生生活の後、出版社で旅行雑誌の編集者となる。全国各地を取材した経験から、ローカルに魅力を感じ、2017年に上田市に移住。観光関係の広報の仕事や、イラストレーターとして活動中。手相鑑定士でもある。趣味はレトロな風景を求め旅に出ること。とくに喫茶店や工芸品、温泉などが好き。
江戸時代後期から始まり、当時高価でなかなか手に入らなかった段飾りの雛人形に代わって、古い着物などを使って作り始めたことが由来。
人形の一つひとつに意味があり、例えば座布団は“早くお座りができるように”、唐辛子は虫除けで“悪い男に捕まらないように”など。
どれも親から子への愛情を感じ、ほっこりします。それぞれの意味を考えながら見るのも楽しいです。
一つのつるし雛に吊るしてある人形の数にも理由があり、昔は人生50年だったことから、一年でも長生きしてほしいという想いから51個となっているとか。すてきな願いで、なんだか泣けてきます・・・!
赤は女の子用で4月上旬まで、黒は男の子用でもう少し長く飾られる予定とのこと。
ほかにも干支の人形、地元の方から譲り受けたひな人形の七段飾りなど、華やかで美しい人形が多数並んでいました。
見た目も味も極上の「ひな御膳」
お待ちかねの季節限定「ひな御膳」が到着。季節の小鉢に蕎麦、デザートがついたミニ会席です。ひな祭りシーズン以外の通常時にも「花籠御膳」として提供されていますが、ひな御膳は特別にデザートが3種、汁物も付いてきます。
はりこし亭が提供する料理は、どれも地域の生産者とのつながりを大切にし、地元の食材を使うことを心がけています。
料理長の信条でおいしいのその先を目指し、お客様が安心して食べられるよう、無農薬大豆の味噌や醤油、オーガニックシュガー、添加物なしの圧搾製法の油など、調味料にもこだわっています。
今回のメニューは
- 無農薬野菜のサラダ
- 南京豆腐(すりつぶしたカボチャと甘酒を合わせて寒天で固めたもの)
- 蒸し寿司(小諸で養殖している“モロコ”という魚の田作りがのっている)
- 信州サーモンと大根の塩麹レモン和え(八千穂漁業から取り寄せた信州サーモン)
- 天ぷら(無農薬の蕪、カンタケ、焼き芋)
- 蕎麦(自家栽培のそば粉を使用した手打ち蕎麦)
- お椀(鯉の味噌汁。鯉出汁で鯉こくのような濃厚な味わい)
- にんじん蕗味噌のせ
- ぜんざい、甘酒プリン、ソフトクリーム
「体も心も豊かになってほしい」という料理長の想いが伝わってきて、一品一品、大事に味わいました。どれも素材の味を生かした上品な味付けで、おいしすぎて、幸せで細胞まで満たされるかのよう…!
もう一つ驚いたのが、そば湯。濃厚でとろっとしていて、今まで食べたそば湯で個人的に一番のおいしさ。
聞いたところ、蕎麦を茹でた茹で汁ではなく、「お客様によりおいしく味わってもらえるように、そば湯用に作っています」とのこと。その言葉を聞いて感服したのでした。
聞いたところ、蕎麦を茹でた茹で汁ではなく、「お客様によりおいしく味わってもらえるように、そば湯用に作っています」とのこと。その言葉を聞いて感服したのでした。
ひな御膳が味わえるのは3月いっぱいまで。通常時は花籠御膳のほか、ざるそばやくるみそば、郷土料理である「おにかけそば」などのメニューがあります。
どれもはりこし亭ならではのこだわりがあるので、ぜひお店で聞いてみてください。
どれもはりこし亭ならではのこだわりがあるので、ぜひお店で聞いてみてください。
また、ランチだけでなく、夜はコースの会席料理のほか、ご要望に応じてお祝いの席にも利用できるとのこと。さまざまなシーンで訪れたくなる、誰かに紹介したくなる素敵なお店です。
じつはお風呂にもこの時期ならではの楽しみが。10月から3月末頃まで、「初恋りんご風呂」として、お風呂に多数のりんごが浮かぶのです。これぞ中棚荘名物。
ほのかに漂うりんごの甘酸っぱい香りはまるで天然アロマ。源泉かけ流しのお湯はアルカリ性単純温泉の美肌の湯で、身も心も癒されました。

中棚荘DATA
住所 | 長野県小諸市乙1210番地 |
電話 | 0267-22-1511 |
営業時間 | 日帰り入浴/11:30〜15:00(土・日曜・祝日は〜14:00) |
休み | お風呂メンテナンス日 |
備考 | 料金/大人1,200円、小学生600円、幼児300円 |
住所 | 長野県小諸市乙1210番地 |
電話 | 0267-26-6311 |
営業時間 | 昼/11:30〜14:00LO 夜/18:00〜21:00(会席料理は前々日までに要予約) |
休み | 水曜ほか不定休 |
東信偏愛女子とは……
上田市を中心に活動する女性クリエイターチーム。それぞれの「好き!」をそれぞれの視点で掘り下げ、東信の暮らしを楽しんでいる。
全員一度県外に出たUターン&県外からの移住者だからこそ感じる東信の魅力を感性のおもむくままに取材し、お出かけ情報・暮らし情報を発信します!
メンバーと得意分野 紹介
アユミ(デザイナー)/登山・アート・音楽・美容
ちーやん(編集者・広報)/動物・自然・スーパー・移住暮らし
ひなぽん(イラストレーター・編集者)/ご当地のグルメ・喫茶店・文化・温泉・居酒屋
サポーターさちぽん/グルメ(特にワイン・蕎麦)・イベント
この記事を書いたライター
ひなぽん
イラストレーター・編集者|千葉県出身。書店に入り浸る学生生活の後、出版社で旅行雑誌の編集者となる。全国各地を取材した経験から、ローカルに魅力を感じ、2017年に上田市に移住。観光関係の広報の仕事や、イラストレーターとして活動中。手相鑑定士でもある。趣味はレトロな風景を求め旅に出ること。とくに喫茶店や工芸品、温泉などが好き。
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