東信偏愛女子チームのひなぽんです。

古き良きレトロな風景を求めて、今回は小諸へ行って参りました。

小諸といえば、城下町や宿場町として栄えた歴史ある街。
かの有名な小説家・島崎藤村が住んだ街としても知られています。
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そんな藤村ゆかりのスポットが点在する小諸で、なんと島崎藤村が原稿用紙を買っていたという紙屋が現在もあると聞き、行ってきました!

旧北国街道沿いの本町というエリアにある「大和屋紙店」です。

創業160年を超える老舗の紙屋


お店の創業は安政4年(1857)。呉服屋の分家として、創業時から紙を扱っていました。
改装した正面を除き、建物も当時のままで、江戸の商家の風格を漂わせています。
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島崎藤村が小諸に住んでいたのは明治32年(1899)〜明治38年(1905)。

その間この店で、北信地域の飯山で漉かれている和紙「内山紙」の原稿用紙を購入し、作品を書いていました。
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ちなみに大和屋紙店では当時、内山紙に加え、かつて和紙の産地だったという東信地域の長和町の「立岩和紙」を扱っていたそう。

貴重なお宝をたくさん発見!

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店主に島崎藤村が愛用していた原稿用紙が現在もあるか聞いてみたところ、
「無地の内山紙そのものは販売していますが、残念ながら原稿用紙は扱っていません」とのこと。

しかしその原稿用紙を刷っていたという木版は現存しており、見させてもらいました。
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これで一枚一枚刷っていたのですね。貴重です! インクをつけて刷ってみたい

そしてこんな珍しいものも。大福帳です。
大福帳とは、売買の勘定を記録した帳簿の一種のこと。
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何冊も重なりものすごい分厚さ!
100年以上経っても破れることも文字が薄れることもなく、和紙がいかに丈夫で保存に適しているかを物語っています。

家紋が入った黒い箱がずらり。
何かと聞いてみると、電気の無かった時代、夜の外出時に使用していた提灯が納められているそう。
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昔の家では、玄関の上にこのような提灯箱が並んで置いてあることが多かったようです。

さすが老舗の商家、、、! 他にもさまざまな歴史あるものがあり、レトロ好きには非常に興味深い空間でした。

すてきな紙製品を探して

店内には京都の友禅和紙をはじめ、愛媛や岐阜などさまざまな産地の和紙が並びます。

伝統の技法で職人が染め上げる和紙は風合いがよく、図案や染めもとても美しくて見惚れてしまいます。
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「こんなにたくさんの和紙がある店はほかにはないよ!」と、店番中の小学生の息子さんが得意げに話してくれました。なんとも頼もしい!

南信地域の伝統工芸・飯田の水引の商品も多数扱っていました。
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ほかにも現代的でおしゃれなメモ帳、封筒、シール、折り紙など、紙製品を中心に、幅広く文具が揃います。

また注目なのは、中に内山紙を使用している店オリジナルのトラベルノート「小諸万覚帖」。

藤村が原稿用紙を買った店で、同じ紙を用いたトラベルノートに、御朱印などを押したりチケットや写真を貼ったりして、旅の思い出を一冊に閉じ込めてみてはいかがでしょう。
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伝統文化も大事にしつつ、現代の生活に合う紙製品にも出会える、すてきなお店でした◎


住所長野県小諸市本町3-1-4
営業時間9:00〜18:30
休み日曜
問合せ0267-22-0129

東信偏愛女子とは……


上田市を中心に活動する女性クリエイターチーム。それぞれの「好き!」をそれぞれの視点で掘り下げ、東信の暮らしを楽しんでいる。
全員一度県外に出たUターン&県外からの移住者だからこそ感じる東信の魅力を感性のおもむくままに取材し、お出かけ情報・暮らし情報を発信します!

メンバーと得意分野 紹介
アユミ(デザイナー)/登山・アート・音楽・美容
ちーやん(編集者・広報)/動物・自然・スーパー・移住暮らし
ひなぽん(イラストレーター・編集者)/ご当地のグルメ・喫茶店・文化・温泉・居酒屋
サポーターさちぽん/グルメ(特にワイン・蕎麦)・イベント

この記事を書いたライター



ひなぽん

ひなぽん
イラストレーター・編集者|千葉県出身。書店に入り浸る学生生活の後、出版社で旅行雑誌の編集者となる。全国各地を取材した経験から、ローカルに魅力を感じ、2017年に上田市に移住。観光関係の広報の仕事や、イラストレーターとして活動中。手相鑑定士でもある。趣味はレトロな風景を求め旅に出ること。とくに喫茶店や工芸品、温泉などが好き。


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