東信偏愛女子チームのひなぽんです。
ご当地の工芸品やおみやげを探したいという方へ。
上田市の伝統工芸「農民美術」の木彫作品を多数展示・販売している「アライ工芸」さんをご存知でしょうか?
どれもこれも愛らしく、ときめく作品ばかり。
「農民美術」とはいったい何なのか、その歴史に触れつつ、お店の中をじっくり見ていきましょう!
山本鼎は30代前半頃、芸術家としてフランスへ留学。その帰路、モスクワの展示館へ立ち寄り、農民が製作した手工芸品を見たことが「農民美術」の運動へと繋がっていきます。
当時の日本は、農作物の不作やスペイン風邪の流行などで大変な状況が続いていました。
そんな背景から、山本鼎が提唱した「冬の農閑期の農民の副業として、手工芸品を作り、収入に繋げる」という農民美術の考えは政府からも支持されます。
東京から一流の講師を呼んで講習会が行われた後に、大屋駅近くに「日本農民美術研究所」を開設。
現在も続く木彫りはもちろん、草木染めや刺繍、土人形など、さまざまなものが製作されてきました。
やがて上田から全国100箇所以上の農村へ講師が派遣され、各地の土産品や特産品の製作講習を行うようになり、その土地ならではの木端(こっぱ)人形等が生まれていきます。
しかし関東大震災、世界恐慌、第二次世界大戦が立て続けに起こり、農民美術の運動は開始からたった15年ほどで一度幕を閉じることとなりました。

上田市を中心に活動する女性クリエイターチーム。それぞれの「好き!」をそれぞれの視点で掘り下げ、東信の暮らしを楽しんでいる。
全員一度県外に出たUターン&県外からの移住者だからこそ感じる東信の魅力を感性のおもむくままに取材し、お出かけ情報・暮らし情報を発信します!
メンバーと得意分野 紹介
アユミ(デザイナー)/登山・アート・音楽・美容
ちーやん(編集者・広報)/動物・自然・スーパー・移住暮らし
ひなぽん(イラストレーター・編集者)/ご当地のグルメ・喫茶店・文化・温泉・居酒屋
サポーターさちぽん/グルメ(特にワイン・蕎麦)・イベント
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ご当地の工芸品やおみやげを探したいという方へ。
上田市の伝統工芸「農民美術」の木彫作品を多数展示・販売している「アライ工芸」さんをご存知でしょうか?
どれもこれも愛らしく、ときめく作品ばかり。
「農民美術」とはいったい何なのか、その歴史に触れつつ、お店の中をじっくり見ていきましょう!
上田市の伝統工芸「農民美術」とは?
画家の山本鼎(かなえ)が、大正8年(1919)に、旧神川村(現上田市)で始めた運動。山本鼎は30代前半頃、芸術家としてフランスへ留学。その帰路、モスクワの展示館へ立ち寄り、農民が製作した手工芸品を見たことが「農民美術」の運動へと繋がっていきます。
当時の日本は、農作物の不作やスペイン風邪の流行などで大変な状況が続いていました。
そんな背景から、山本鼎が提唱した「冬の農閑期の農民の副業として、手工芸品を作り、収入に繋げる」という農民美術の考えは政府からも支持されます。
東京から一流の講師を呼んで講習会が行われた後に、大屋駅近くに「日本農民美術研究所」を開設。
現在も続く木彫りはもちろん、草木染めや刺繍、土人形など、さまざまなものが製作されてきました。
やがて上田から全国100箇所以上の農村へ講師が派遣され、各地の土産品や特産品の製作講習を行うようになり、その土地ならではの木端(こっぱ)人形等が生まれていきます。
しかし関東大震災、世界恐慌、第二次世界大戦が立て続けに起こり、農民美術の運動は開始からたった15年ほどで一度幕を閉じることとなりました。

戦後、研究所の卒業生などが製作を再開し、上田市周辺では「長野県農民美術連合会」が結成され、伝統工芸品として現在も“上田獅子”などの作品が作られています。
アライ工芸を訪ねて
アライ工芸の初代・荒井貞雄氏(1908〜1987)は、日本農民美術研究所で木工を修業した生徒のうちの一人。
2階の荒井貞雄氏の作品展示スペース
個人的に2階の貞雄さんの作品は、本当にすばらしく、ぜひ多くの方に見ていただきたい!!
貞雄さんの作品は鑑賞用の工芸品というよりも、たばこ入れや箸入れなど、日常で使うものばかり。
しかしどれも実用性を超えた芸術性を備えていて、ユニークで遊び心に溢れているのです。
たとえばこちら↓ 何だと思いますか…?!
またこちらの汽車は、タバコ入れ+ライター+灰皿が一体となったもの。
なんてすてきなアイデア商品。応接室や客間などにこちらが置いてあったら、ほっと場を和ませてくれそうです。アイスブレイクにぴったり!
こんなふうに用途が限定された作品が多いのも当時の特徴なのか、現代では見られない面白いポイント。
どれもこれも、日常をよく観察し、純粋な創作への情熱や喜びが伝わってきて、感動してしまいます。こちらの部屋にいると、大切な心の豊かさを思い出させてもらえるのです。
山本鼎の「自分が直接感じたものが尊い そこから種々の仕事が生れてくるものでなければならない」という農民美術に込めた想いも、みごとに体現されているなぁと感じます。
1階でかわいらしい作品をおみやげに
1階では、現在の農民美術に関係する作家たちの作品を手に取りながら選び、購入できます。
こちらは上田獅子のこっぱ人形。かわいい!
この鳩の砂糖壺は、喫茶店などで見たことがある方もいるのでは。わたしも黄色バージョンを持っているのですが、かわいすぎて、いつも眺めてにやにやしています。
木の温もりに癒され、心満たされる場所。普段ものづくりに携わる方にも、いろいろな発見や気づきがあると思います。
ときたま作品解説ツアーを開催したり、イベントに出展されたりもしているので、ぜひInstagramをチェックしてみてください。
住所 | 長野県上田市常田2-16-5 |
営業時間 | 10:00〜18:30 |
休み | 木曜・年末年始 |
問合せ | 0268-22-2961 |
東信偏愛女子とは……
上田市を中心に活動する女性クリエイターチーム。それぞれの「好き!」をそれぞれの視点で掘り下げ、東信の暮らしを楽しんでいる。
全員一度県外に出たUターン&県外からの移住者だからこそ感じる東信の魅力を感性のおもむくままに取材し、お出かけ情報・暮らし情報を発信します!
メンバーと得意分野 紹介
アユミ(デザイナー)/登山・アート・音楽・美容
ちーやん(編集者・広報)/動物・自然・スーパー・移住暮らし
ひなぽん(イラストレーター・編集者)/ご当地のグルメ・喫茶店・文化・温泉・居酒屋
サポーターさちぽん/グルメ(特にワイン・蕎麦)・イベント
この記事を書いたライター
ひなぽん
イラストレーター・編集者|千葉県出身。書店に入り浸る学生生活の後、出版社で旅行雑誌の編集者となる。全国各地を取材した経験から、ローカルに魅力を感じ、2017年に上田市に移住。観光関係の広報の仕事や、イラストレーターとして活動中。手相鑑定士でもある。趣味はレトロな風景を求め旅に出ること。とくに喫茶店や工芸品、温泉などが好き。
イラストレーター・編集者|千葉県出身。書店に入り浸る学生生活の後、出版社で旅行雑誌の編集者となる。全国各地を取材した経験から、ローカルに魅力を感じ、2017年に上田市に移住。観光関係の広報の仕事や、イラストレーターとして活動中。手相鑑定士でもある。趣味はレトロな風景を求め旅に出ること。とくに喫茶店や工芸品、温泉などが好き。


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