果てしない歳月をかけ、自然の力によって生み出された布引山の断崖絶壁。

そんな険しい場所にある布引観音釈尊寺は、崖から迫り出すように建つ観音堂が象徴的で、724年(神亀元年)に行基が草創しました。
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駐車場の道向かいに見える千曲川と渓谷の景色

歴史を感じる素晴らしいお寺で、久々に行きたくなって行ってみることに。

渓谷や千曲川の景色を眺めながら車を走らせ、布引山の麓の参道駐車場に到着。ここから観音堂まで、400段分の石段を登ります。時間にして約20分。軽い山登り気分で、さっそく出発です。
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断崖の間を縫うように石段の参道を登る

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参道入口に竹の杖があるので、それを持って登っていきます。取り囲む崖や岩、深い緑と石段の連なりに身を委ねていると、俗世から離れ、別世界に迷い込んだかのよう。
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この石段も、いつの時代からあるのだろう。お寺まで至る道ができ、登りやすいように石段を敷いていったのだろう…そんなことを考えながら、所々に現れる、信徒が奉納したと思われる石や木でできたお地蔵さんに目をやり、当時の人々の信心深さに想いを馳せます。
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途中、水が流れ出していて、少しぬかるんでいたり、岩が滑りやすくなっているので足元に注意しながら、黙々と歩いていきます。
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大きな岩の崖、洞窟に積まれる石などを見ていると、きっと、お寺ができるずっと前から、この場所に神秘的な力を感じ、自然崇拝的なものがあったように思う。

信仰の長い歴史の中に、今、自分がここにいる。神社やお寺に来ると、自分もそんな大きな時間の流れや存在の一部なのだなと、なんとも言えない不思議な気持ちになります。
 
歩き進めると、滝や牛岩などの見所が出てきました。
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布引観音釈尊寺といえば、「牛に引かれて善光寺参り」の伝説でも知られる場所。

昔、信心を持たないお婆さんが千曲川で布を晒していると、どこからか牛(観音様の化身)が現れ、布を角に引っ掛けて走り去っていき、追いかけると善光寺に辿り着いたことから、観音様の導きだったと悟って改心したという伝説の舞台なのです。

牛岩は、そんな牛の姿が岩に現れていると言われています(しかし私はどれか分からなかった…)。
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いざ、崖に迫り出す観音堂へ

緑の参道を抜けて、仁王門が現れると、ようやく境内へ辿り着きます。
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すると遠くに見えてきました、崖に張りつくように建つ、朱塗りの観音堂が!

よく見るとその拝殿を支えるように木の太柱が長く地上へとのびています。なんと高さ20.6メートルもあるというのだから驚き。いったいどうやって作ったのでしょう……。
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伝説を思わせる絵馬や牛の像などもありました

より近づいていくと、観音堂手前の崖の岩屋にも、いくつかのお堂が埋め込まれるように建っていました。すごい場所です。
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そして巨岩を掘ってつくったトンネルのような道を抜けて進んでいきます。
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ついに観音堂へ到着!

御本尊の聖観世音・左に十一面観音・右に馬頭観音・百体の黄金色に輝く仏像群と宮殿が納められています。扉の奥を覗き込むと、岩窟にずらりと並ぶ仏像の姿に鳥肌・・。畏怖の念を抱くような気持ちで、思わず息を呑みました。
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本堂などは戦火などで何度か焼失しましたが、この観音堂や中にある「宮殿(くうでん)」は岩屋の奥にあったため焼けずに残ったそう。

宮殿は秘仏の聖観音の厨子として造営されたもので、鎌倉時代の正嘉2年(1258)建立。昭和26年(1951)に修理復元されましたが、火災から逃れ、そんなにも長い年月の間ここに現存しているなんて、その雰囲気からも歴史の深さを実感します。なんとも貴重な国の重要文化財です。
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拝殿の格天井にも注目。いつの時代か不明ですが、地元の商家や篤志家らによるものなのか、絵が奉納されていました。よくよく見ると、大塚酒造、大和屋醤油店、花屋旅館など、近隣で現在も続く企業の名も!
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拝殿の舞台の柵越しに風を感じながら景色を眺めていると、鮮やかな緑の木々が目に飛び込んできます。高所恐怖症の方は下を覗き込まないほうが良さそうです。
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参道にあった善光寺穴。善光寺まで通じ、昔、善光寺の火災の際にはこの穴から煙が出たとか

自然と歴史を感じる、他所にはない景観がすばらしいお寺。夏の暑さも忘れ、厳かな雰囲気にスッと気持ちが整い、浄化されたようでした。

近くにはちーやんが訪れていた氷風穴、布引観音温泉、道の駅みまき、御牧乃湯などもありますので、あわせてゆったり訪ねてみてはいかが♪



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布引観音温泉から見える布岩。「牛に引かれて善光寺参り」の伝説で牛が角に引っ掛けた布がこの岸壁に張り付いているそうで、よく見ると真ん中辺りに白いものが見えます

布引観音釈尊寺DATA
住所長野県小諸市大久保2250
問合せ小諸市観光案内所☎︎0267-22-0568
備考グーグルマップで検索する場合は、「布引観音参道駐車場」と入力してください


東信偏愛女子とは……


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この記事を書いたライター


ひなぽん
ひなぽん
イラストレーター・編集者|千葉県出身。書店に入り浸る学生生活の後、出版社で旅行雑誌の編集者となる。全国各地を取材した経験から、ローカルに魅力を感じ、2017年に上田市に移住。観光関係の広報の仕事や、イラストレーターとして活動中。手相鑑定士でもある。趣味はレトロな風景を求め旅に出ること。とくに喫茶店や工芸品、温泉などが好き。