仏像はお好きですか?
東信偏愛女子のちーやんです!
どういう訳だか、若い時から仏像が気になってしまうんです。日々探求したりはしないのですが、仏像を見るのはどうやら好きらしいのです、私。
そんな中、上田で仏像の展覧会が開催されていると聞いたら、行かないわけにはいきません。
…ということで今回は、現在 サントミューゼ上田市立美術館で開催中の特別展「ハッケン!上田の仏像」に行ってきました!
特別展「ハッケン!上田の仏像」
現在、サントミューゼ内 上田市立美術館で開催中の特別展「ハッケン!上田の仏像」。
平成28年から実施された上田市の「仏教美術(仏像)悉皆調査」の成果をふまえ、上田市内外の貴重な仏像およそ70点が集まる展覧会です。これほどの点数の、さまざまな時代に作られた仏像を一堂に集めて紹介するのは、上田市では初めてだそう!
※悉皆(しっかい)調査とは、調査対象を1つ残らず全部調べることで全数調査に同じ。
4つのゾーンからなる会場には、国の重要文化財や長野県宝、上田市・青木村指定文化財を含む貴重な仏像がずらり。
通常撮影禁止ですが、特別に許可を得て撮影させていただきました。
古くから仏教文化が根付いていた上田市。
奈良時代に信濃国分寺が建立され、「信州の鎌倉」とも呼ばれる塩田エリアを中心に、上田市には多くの神社仏閣があります。
そんな数多くの神社仏閣に保管されている仏像などの文化財について、上田市教育委員会が調査を始めたのが平成28年。専門の先生を招き、3年という月日をかけて把握できる限りのお寺や街中に点在するお堂を調べたそう。最終的に調査した仏像は2400体ほどもあったというから驚きです。
こちらは上田市指定文化財、木造 阿弥陀如来立像
この調査を通して、これまで知られていなかった貴重な仏像の新発見や、今まで考えられてきた以上に貴重なものであったと評価が改められたものも多数。調査にあたった皆さんにとって「ハッケン!」の連続だったといいます。
仏像の楽しみ方
なんだかとっても貴重な展示で興味はあっても、普段見慣れない仏像は敷居が高く感じてしまったり、難しいと思ってしまう方も多いかもしれません。
実は私ちーやんもその一人。
仏像を見るのは好きだし、添えられた解説を読むと「なるほど~」とは思うのですが、なんとなく楽しみ切れていない感が…。
「初心者でも仏像をもっと気軽に楽しみたい!」
…ということで、先ほどご紹介した調査を担当されていた上田市 生涯学習・文化財課の谷口さんにお話をうかがってきました!
仏像の魅力とは
今回の展示に関する質問に的確にお答えくださる谷口さんも、調査に加わった当初は仏像についてほぼ知識がなかったそう。初心者向けの関連書籍を読んだり、専門家の調査に同行していくうちに楽しみ方が分かってきたといいます。谷口さんの思う仏像の魅力とは?
「一口に“仏像”といっても、形もさまざま、時代による変化があったり、一般的なセオリーから外れる特徴を持った仏像も。そうやって見ていくと、1体1体それぞれに個性的で。そんなところに魅力を感じます。」
今回の展示で、谷口さんの推しの1体をうかがうと…
思い入れのある仏像がたくさんあるようで、とっても悩みながらも挙げてくださったのは大日如来坐像(前山寺)。
モデルは男性ですが、肩から腕にかけてのなめらかな曲線がなんだか女性的!
こちらは、多くの優れた仏像が生み出された鎌倉時代の優品で、当時のトップクラスの工房で作られた作品だと考えられているそう。
背中や腰の衣の部分などに、とても細く切った金箔を貼って模様を描いていく「截金(きりかね)」という細工が注目ポイント!
この大日如来坐像は背面にまわって見ることもできます。
会場内は照明を落としてあるのでなかなか見えにくいのですが、確かにとても細かい模様が施されてる! しかも、背中や腰など部分ごと模様が違っているんです。
ぜひ会場で細部までじっくり観察してみて♪
市外からやってきた貴重な仏像も
今回の特別展の見どころのひとつがこちらのお部屋。
こちらのお部屋に集うのは、いずれも鎌倉時代に作られた像。すべてが国の重要文化財に指定されているものです。
左手前が別所温泉にある安楽寺を建て直した惟仙和尚(いせんおしょう)。この惟仙和尚が中国での修行から日本に帰る際、同じ船に乗ったことでその後 親交を深めたと言われる中国僧
蘭渓道隆(らんけいどうりゅう/右手前)。
書簡などの資料から最後に会ったのではないかと考えられている年代が推測されているのですが、このお二人が770年ぶりにこの仏像展で再会しているんです!。しかも、隣り合って展示されているのではなく、対面しているのがちーやん的にとてもエモい♡
このお二人の再会を見守るのは、惟仙和尚が安楽寺の二代目に選んだ中国僧の恵仁和尚(えにんおしょう/左奥)と時の権力者 北条時頼(右奥)。
長い時を経て再会を果たした惟仙和尚と蘭渓道隆。再会までの時の長さや、今ここに立ち会えていることに想いを馳せるのも趣深いものがあります。
(左上)惟仙和尚坐像
(右上)蘭渓道隆坐像
(左下)恵仁和尚坐像
(右下)北条時頼坐像
ちなみに、蘭渓道隆坐像と北条時頼坐像はこの展示のために鎌倉市よりお借りしたもの。この4体が一堂に会する展示を上田で見られるのはとても貴重!また、この展覧会限定で撮影が許可されているそうで、知れば知るほどすごいんです!
初心者だって楽しめる♪見方のコツ
続いて、谷口さんに初心者でも気軽に楽しめる見方を聞いてみました。
「今回の展示では『早わかり! 仏像の見方ガイド』を無料配布しています。こちらを参考に、仏像の手の形や持ち物などに注目して見てもらうと分かりやすいと思います。」
「また、古い時代の仏像はどことなく外国人風の顔立ちですが、時代を追うごとにだんだんと日本人顔になっていくんです。また時代により顔立ちの特徴も変わります。今回の展示ではさまざまな時代の仏像が集まっているので、自分好みの時代やイケメンを見つけてみるのも楽しいかもしれません。」
無料でいただけるこちらの『早わかり! 仏像の見方ガイド』。
小さく薄い冊子ですが、知らなかった情報が満載✨
可愛い紙面で親しみやすく、これをお供に展示を見るととても分かりやすかったのでおすすめです!
如来・菩薩・明王…仏像には役割ごとポジションがあるんですって!
こちら、「頭上にたくさん顔が」とちーやんがとっても不思議に思っていた観音菩薩(十一面観音菩薩立像)。この頭上に乗るたくさんの顔の意味も、しっかり解説されていました。ぜひ実際のガイドで確認してみてください!
関連商品やコラボメニューも
この特別展開催中はサントミューゼ内にあるミュージアムショップやカフェ(ロジェカフェ)でも関連書籍の販売やコラボメニューが楽しめます♪
ミュージアムショップは仏像関連の書籍がたくさん!
初心者でも気軽に楽しめる書籍も。一番手前の『マンガでわかる仏像』はお話をうかがった谷口さんおすすめの1冊。マンガなので気軽に読めて仏像に関する知識が得られます。
ロジェカフェではあんこを使った和テイストのスイーツが、仏像展開催中だけの期間限定で登場✨
こちらはあんバターシナモンロール。
お店名物のシナモンロールは一つ一つ手作り。シナモンの風味に、なめらかなこしあんとバターの塩気がマッチ。もちふわ食感で食べ応えバッチリ! 珍しい発芽コーヒーとの相性ももちろん◎
この他、抹茶アイスに粒あんときなこを合わせたなごみ抹茶アイスも。
楽しみ方は自由!仏像を楽しもう
いろいろなお話を聞いたり、ガイドをお供に展示を見ていくと、だんだんと自分なりに注目するポイントが分かってきて、1体1体じっくり見ていたら時間が足りない💦
自分好みの仏像も分かってきて、これは会期中にあと何回か通ってしまいそう。
とっても貴重な今回の展示は3月9日(日)までの開催。
ぜひ仏像の魅力や、仏像をきっかけに知る歴史ある上田市の魅力を「ハッケン!」しに展覧会を見に行ってみてはいかがでしょうか?
特別展「ハッケン!上田の仏像」
会期 | 2025年1月11日(土)~3月9日(日) *火曜休館 *ただし2月11日(火・祝)は開館し、翌2月12日(水)振替休館となります。 |
時間 | 9:00~17:00(入場は16:30まで) |
場所 | サントミューゼ 上田市立美術館(長野県上田市天神3-15-15) |
入場料 | 一般 ¥1,200/高校・大学生 ¥500/小・中学生 ¥300 |
備考 | 展示室内の写真・動画撮影は、館内の表示に従ってください。この記事では特別な許可を得て、撮影をさせていただきました。 【サントミューゼHP「ハッケン!上田の仏像」紹介ページ】 https://www.santomyuze.com/museumevent/uedanobutuzouten_2024/ 【上田市立美術館 公式Instagram】 https://www.instagram.com/artmuseumueda/ |
上田市立美術館 ミュージアムショップ
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 毎週火曜日(サントミューゼの休館日に準じる) |
問合せ | 0268-75-7351 |
備考 | 【上田市立美術館ミュージアムショップ 公式Instagram】 https://www.instagram.com/ueda_museumshop/?hl=ja |
ロジェカフェ
営業時間 | 10:00~15:00(14:30L.O.) |
定休日 | 毎週火曜日(サントミューゼの休館日に準じる) |
問合せ | 070-3276-3908 |
備考 | 【ロジェカフェ 公式Instagram】 https://www.instagram.com/rogernagano/ |
東信偏愛女子とは……
上田市を中心に活動する女性クリエイターチーム。それぞれの「好き!」をそれぞれの視点で掘り下げ、東信の暮らしを楽しんでいる。
全員一度県外に出たUターン&県外からの移住者だからこそ感じる東信の魅力を感性のおもむくままに取材し、お出かけ情報・暮らし情報を発信します!
メンバーと得意分野 紹介
アユミ(デザイナー)/登山・アート・音楽・美容
ちーやん(編集者・広報)/動物・自然・スーパー・移住暮らし
ひなぽん(イラストレーター・編集者)/ご当地のグルメ・喫茶店・文化・温泉・居酒屋
サポーターさちぽん/グルメ(特にワイン・蕎麦)・イベント
この記事を書いたライター

ちーやん
編集者・広報|埼玉県出身。大学在学中より書籍・雑誌編集に携わり、気づけば編集歴20年超。2019年上田市に移住し、企業での広報・デザイン会社勤務を経て、現在はフリーランスで活動中。猫をはじめとした生き物全般とツルヤを愛する二児の母。モットーは禅の「柔軟心」強く・優しく・朗らかに暮らしたい。


コメント